株式会社フォトロン 様 / 稟議や経費の申請・ICT関連の全社ワークフロー
目次
経緯:現行システム保守の終了に伴い、新しいワークフロー環境としてkintoneの活用範囲を広げることに
◯kintone導入前はどのような形で業務をされていましたか?
当社は、映像・画像処理技術を軸に、各種メーカー・放送局・研究機関・教育機関・医療機関など幅広い業界に製品やソリューションを提供しています。
営業・技術・開発・バックオフィススタッフなど様々な職種の人間がいるオフィスを支える社内基盤として、社内の稟議や経費申請、ICT関連の申請など、多様な申請業務を従来より運用してきました。しかし、複数のシステムやツールが併用されていたため、申請経路や管理方法が分散し、社員や管理部門に負担がかかっていました。この状況を改善するため、kintoneを中心としたワークフローの統合を進めました。
kintone導入以前、当社ではオンプレミスの「X-point」を中心に社内申請を行っていましたが、ライセンスが限られ、改修できる担当者もごく少数に限られていました。一方で、SlackやGoogleフォーム、メール、そして一部ではkintoneも併用されており、申請が複数経路に分散。「どのツールで申請すればよいのか」という問い合わせが日常的に発生していました。
また、X-pointはタイトル検索のみに対応していたため、本文内容を検索できず、過去申請の確認にも時間がかかりました。加えてVPN接続が必須で、出先から承認ができない点も課題でした。
それら課題の解決に向けて、システム保守の終了も近づいていたことから、新しいワークフロー環境の検討を開始しました。クラウド版X-point、GaroonやSlackのワークフローなども候補に挙がりましたが、既に全社員がkintoneアカウントを持っており、社内システムとして部分的に活用していたことから、コストと運用負荷の両面でkintoneが最適という結論に至りました。
課題:多様な申請業務に対応するため複数のシステムやツールが併用されており、申請経路や管理方法が分散、社員や管理部門に負担がかかっていた
・社内申請がX-point・Slack・Googleフォーム・メールなどに分散し、社員が迷う状況が続いていた。
•旧システムでは本文検索ができず、過去の申請内容を探すのに時間がかかっていた。
・管理権限が限られ、改修や運用が特定の担当者に集中していたため、属人化が進行していた。

成果:稟議・経費・PC関連申請をすべてkintone上に集約。利用者、管理者を含む、全体的なユーザビリティが向上した
・申請や稟議、経費処理をすべてkintoneに集約し、ワークフローの入口を一本化。社員が迷わず手続きを行えるようになり、複数のサービスを管理する手間が軽減した。
・検索機能が強化され、タイトル・本文・関連項目から横断的に確認できるようになり、確認・共有のスピードが大幅に向上した。
・管理権限を複数部署に分散し、運用負担を軽減。メンテナンスや改修を担当者単位で行える仕組みを整えた。

◯kintoneを導入した結果、どのような業務改善が図れましたか?
以前は、 「経費はX-point、備品はフォーム、アカウント申請はメール」というように申請方法がバラバラで、社員からの問い合わせも多く、処理漏れや確認作業に追われていました。また、それぞれのサービスへのアカウントの発行や管理が必要になるなど、管理側の負荷も大きくなっていました。
kintone導入後は、稟議・経費・PC関連申請をすべてkintone上に集約。誰もがkintone上から申請できるようになり、業務の一貫性とスピードが格段に上がりました。承認者の特定に時間を要していた複雑な承認ルートは、承認ルートマスタの整備が実現したことで、ルックアップで呼び出せるようになり、組織図を都度確認する手間が解消しました。全体的なユーザビリティが向上しています。また旧システムでは実現していなかったスマートフォンでの承認も可能になり、外出先でも決裁が止まらなくなりました。
5か月で経費申請は1,000件を超え、稟議も500件以上(2025年9月時点)。実際に利用が進んでいることが数値としても現れています。
さらに、ジョイゾーさんに開発していただいた「ステータス履歴プラグイン」はとても重宝しています。旧システムでは、PDFでの出力時に印影で申請日時などを表現していましたが、このプラグインによってkintone上に承認履歴が明確に残るようになりました。誰がいつ承認したのかを一覧で把握できるため、監査対応や内部統制の業務をスムーズに行えるようになると考えています。
既に一部の部門ではこの情報をベースに業務監査に活用している話も出てきているようで、今後も成果が出てくることを期待しています。

◯現在のkintoneの運用状況
当社では現在、全社員がkintoneを利用しています。368名の正社員を中心に、グループ会社を含む約450名が利用中です。申請関連のアプリは各部門にも権限を開放しており、営業部では日報アプリを自作するなど、現場単位での運用も広がっています。
社内の浸透に向けては、本社である東京オフィス以外の各地域のメンバーも参加する全社向けの説明会をオンラインで実施しました。使い方で困ったことがある時には、社内ヘルプチャンネル(Slack)で質問の対応や利用促進を情報システム部門のメンバーでサポートしています。
一方で、一部の部門ではまだ定着の途上で、kintoneにまだ触れていない社員もいます。
またSlackのワークフローでの申請が残っているケースも確認しています。最終的にはワークフロー自体の整理を進めながら、必要なものはkintoneに統合していくイメージで取り組んでいます。
◯ジョイゾー選択したポイント
ジョイゾーさんを選んだ最大の理由は、kintone専業としての深い知見と、現場対応のスピード感です。今回の開発にあたって、複数社で比較検討しました。その中で、kintone専業SIとして豊富な実績を持つジョイゾーさんが、要件に柔軟かつ前向きに対応してくれたことが決め手でした。
他社で難色を示された70フォームにも及ぶ移行にも前向きに対応してくれ、「承認者が柔軟に変わるフロー」などの課題にも、独自の提案で応えていただきました。
実際の打ち合わせでも、設定変更やエラー対応をその場で実施してくれたことで、移行初期の不安が大きく軽減されました。
さらに、「システム39」の明朗な料金体系も社内稟議を通す上で非常に分かりやすく、安心感につながりました。価格だけでなく、対応のスピード感や、現場目線で課題を解決していく姿勢が印象的でした。単なるベンダーではなく、課題を共有しながら最適な形を共に探ってくれる「伴走型のパートナー」という関係性を築けたことが、ジョイゾーさんを選んだ最も大きな理由です。
◯打ち合わせにおいて、Zoomの対応にどのような印象を持たれましたか?
Zoomや対面での打ち合わせでは、画面を共有しながらその場で設定変更を実施してくれました。 「持ち帰って再提案」というタイムラグがなく、即時に反映・確認できる進行を非常にスムーズに行なっていただきました。
◯今後のkintone利用の展望
今回の開発において、弊社はシステム移行をできる限りスピーディーに実行したいという思いがありました。そのためジョイゾーさんと相談し、移行の初期についてはX-pointの項目をそのまま落とし込み、後から調整できるように進めました。今後は“kintoneらしい操作性”へと整備していくことを計画しています。
一方でkintoneに移行したことで、ワークフローに特化した元のシステムで実現できていたことができなくなった部分もあります。柔軟な差し戻しなど、実際に使用したからこそ社員からフィードバックを受け取っています。こういった部分にも試行錯誤で対応を行っています。
また見積・帳票の電子帳簿保存法対応をはじめ、外部サービス(楽楽販売など)とのデータ連携も検討しています。kintoneのAI機能なども活用しながら、もっと工夫を重ねて使いやすいシステムを目指せればと思っています。
また、現在も一部残っているSlack経由の申請などkintoneに統合し、とりあえずkintoneを見にいけば申請があるだろうという認識を全社に広げられたらと思っています。全体最適と現場最適(使いやすさ)の両立をテーマに、運用改善とデータ活用を進めながら、継続的なアップデートを行っていく方針です。

| 業務内容 | 民生用および産業用電子応用システム(CAD関連ソフトウェア、高速度カメラ・画像処理システム、放送用映像機器、映像情報関連システム等)の開発、製造、販売、輸出入 |
| 利用人数 | 約450ユーザー(正社員・契約社員・グループ会社含む) |
| 利用部門 | 全社利用(管理部門・事業部門・技術開発部門など)。特に稟議や経費の申請・ICT関連の申請を中心に活用。 |
| 利用端末 | Windows、一部Mac・Linux、スマートフォン(iPhone)・タブレット(iPad) |
| カスタマイズの有無 | 有 |
| 連携サービス | 条件付き入力制御プラグイン、自動採番プラグイン、再利用フィールド指定プラグイン、テーブルフィールドコピープラグイン |
