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公務
2025.10.23

茨城県庁 様 / 感染症(結核、鳥インフルエンザ)の対応管理

目次

経緯:結核や鳥インフル対応をkintoneでデジタル化し、緊急時も迅速・正確な対応が可能になり、書類作成や情報共有や証明書発行が効率化され、職員の負担が大幅に軽減しました

◯kintone導入前はどのような形で業務をされていましたか?

当県では情報システム課DX推進グループが中心となって、県全体のデジタル化を推進しています。今回kintoneを導入した業務は結核感染症管理、鳥インフルエンザの消毒ポイント管理およびその消毒済証発行になります。これらの業務は結核や鳥インフルエンザの発生時に行うもので、常時対応が必要ではないものの、いざ対応が求められると緊急性が極めて高く、早さと正確さが必須です。しかし従来は完全にアナログで運用されていたため、様々な課題を抱えていました。

結核患者の管理業務では、国のNESIDシステムから出力されたCSVデータをExcelマクロで処理し、患者への通知書類の発送を手作業で行っていましたが、Excelマクロに慣れていない職員にとっては複雑な操作が大きな負担となり、入力ミスや書類発送ミスが頻発していました。

また、鳥インフルエンザ対応では特に消毒ポイント情報の共有が課題でした。鳥インフルエンザ発生時に設置される県内の消毒ポイント情報をWeb公開する際、設置情報をその都度PDFで作成してWebに掲載するという時間のかかる作業であったため、消毒を受ける予定の運搬業者が情報更新を把握しにくかったです。その結果、畜産課へ電話をかけて消毒ポイントの場所を確認せざるを得ず、あるいは間違った消毒ポイントに向かってしまうといった混乱が現場で生じていました。

加えて、消毒済み証明書は紙で発行していたため、職員が消毒ポイントで作業を行う業者に事前配布する必要がありました。紙を使い切る度に職員が再び消毒ポイントまで足を運んで補充するという非効率な運用を余儀なくされていたのです。

課題:緊急性の高い感染症発生時の対応において、業務がアナログ運用であったため、無駄な手間と混乱が現場で起こっていた

・Excel マクロが煩雑であるため、操作に不慣れな職員による入力ミスや書類発送ミスを引き起こしていた

・鳥インフルエンザ消毒ポイントの情報更新に時間がかかり、リアルタイム性が確保できない

・年間2000件を超える(※2024年度実績ベース)消毒済証を発行する中、証明書は紙ベースであったために配布や補充作業が必要で、消毒ポイント運営に余計な手間がかかっていた

成果:感染症発生時の緊急対応において業務の効率・品質が改善され、職員の負担も大幅に軽減された

・直感的なkintoneインターフェースと帳票連携により、データ入力や書類の発送ミスが大幅減少し、業務が標準化された

・消毒ポイント情報のリアルタイム公開により運搬業者からの問い合わせ電話が減り、誘導トラブルも解消された

・消毒済み証明書の電子化とスマートフォン対応により、紙の配布・補充作業が不要となった

 

◯kintoneを導入した結果、どのような業務改善が図れましたか?

まず、結核患者管理において大きな変化がありました。これまでExcelマクロで苦労していた職員も、kintoneの直感的なインターフェースにより入力ミスが大幅に減少しました。さらにPrintCreatorとの連携により必要な帳票を即座に出力できるため、各種書類の作成・発送作業が格段にスムーズになり、業務の標準化も進んでいます。

それから、鳥インフルエンザ対応での業務改善効果も劇的でした。従来はPDF作成→Web掲載という手間のかかる作業だったものが、kintone上で消毒ポイント情報を登録するだけでkViewerを通じてリアルタイムにWeb公開される仕組みに変わりました。

運搬業者からの問い合わせ電話が減り、間違った場所に向かうトラブルもなくなりましたね。消毒済み証明書についても電子化を実施し、現場でスマートフォンから入力すれば即座に電子データとして発行され、紙の配布・補充作業が不要になりました。

結果として、感染症発生時の24時間対応という過酷な業務環境において、業務のスピードと品質のアップ、そして職員の負担を大幅に軽減する仕組みをkintoneで構築できました。

 

◯現在のkintoneの運用状況

現在は3つのアプリが稼働しており、それぞれ「結核感染症患者管理アプリ」「鳥インフルエンザ消毒ポイント管理アプリ」「鳥インフルエンザの消毒済証明書発行アプリ」となります。運用上の工夫としては、RunBookというマニュアル作成サービスを活用し、ITリテラシーのばらつきがある職員でも等しく使いやすいヘルプ機能を整備しています。

kintoneの大きなメリットはデータベースの形成だと思っています。従来は人事異動で担当者が変わると過去の対応ノウハウが継承されにくかったのですが、kintoneだとクラウド上で検索されやすい形でデータが蓄積されていくので、組織としての知見が確実に継承される体制ができていく点を期待しています。

◯ジョイゾー選択したポイント

ジョイゾーさんを選んだ決め手は圧倒的なレスポンスの速さでした。7社ほどのベンダーさんと同時にやり取りしていましたが、ジョイゾーさんは群を抜いて回答が早く、金額も明朗でわかりやすかったんです。

要件のヒアリングから見積もりが出てくるまで3週間もかかるベンダーもいた中で、この差は歴然でした。今回のシステム導入の決定は年末の時期ということもあり、予算と時間が限られていたという事情もありました。それだけジョイゾーさんのスピード感はありがたかったです。

しかし、単にスピードだけではありませんでした。担当頂いたジョイゾーエンジニアの中嶋さんは自治体での勤務経験をお持ちで、行政の業務フローや調達プロセスを熟知されていました。契約や予算取りの考え方、庁内の意思決定プロセスなど、私たちにとって当たり前すぎて言語化できない部分を先回りして理解され、それらを踏まえた提案して下さったんです。他のベンダーさんだと行政特有の制約について何度も説明を重ねる必要がありましたが、ジョイゾー公共チームの中嶋さんとは最初からスムーズなコミュニケーションができていました。

ちなみに、今回の開発ではジョイゾーさんとは準委任契約を結ばせていただいています。これは行政では一般的でない契約形態ですが、最終成果物を事前に固定するよりも、開発途中でユーザーの要望を聞きながら改善していくkintoneのアジャイル開発特性に適した契約形態の方が、結果的に品質担保に繋がると判断しました。異例ではありますが、このような契約を採用させて頂きました。

◯打ち合わせにおいて、Zoomの対応にどのような印象を持たれましたか?

全てオンラインでの打ち合わせでしたが、全く違和感はありませんでした。画面共有しながらkintoneアプリの作成プロセスをその場で確認しながら、最終的な使用感をイメージすることができました。

打ち合わせから成果物アウトプットまでにタイムラグがある一般的なシステム開発では得られない体験ですね。

◯今後のkintone利用の展望

今回開発した感染症管理の仕組みは、例えばコロナのような他の感染症が発生した際にも活用可能なので、今後はそうしたkintoneの横展開を図っていきたいと考えています。

それからkintone人材の育成も目標です。ノーコードツールの特性を活かして業務改善アプリを自作できる職員を増やし、日常的な業務改善は自身で即座に対応できる体制を目指していきたい。そのため来年度以降はしっかりと予算を確保のうえ、ジョイゾーさんのサポートのもとkintone研修を実施していく予定です。

 

利用人数 約20名
利用部門 保健医療部疾病対策課、農林水産部畜産課
利用部門 Windows(PC)、iphone
カスタマイズの有無 なし
連携サービス FormBridge、kViewer、PrintCreator

関連Connection

全ての業務プロセスにおいて効率化が図られ、年間約400時間の工数削減効果が見込めるようになりました

相談サービスにかかる一連の情報管理を全てクラウド上で行うことが出来る様になり、手書作業の大幅な軽減と予約申込みの時間短縮ができ情報の検索も簡単になりました。

紙とペンのままだと DX にはならない。「慣れ親しんだアナログな⼿書き」と「デジタル化」の橋渡しとなったのが⼿書き2プラグインです。