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2023年12月に「コーディング開発のパラダイムシフト:生成AIによるシステム開発の未来」というnoteを書きました。
当時の私は「生成AIはノーコード・ローコードの延長線上にあり、コーディング開発の意義を再定義する必要がある」という主張をしていました。

コーディング開発のパラダイムシフト:生成AIによるシステム開発の未来

 

あれから約1年半たった今、当時の予想を数十倍も速いスピードで大きな変化が訪れてきました。
ノーコードとローコードという概念が対立項として語られていた時代は、もう終わりを迎えました。
「AIエージェントによるコーディング」が現実のものとなり、「コーディングかどうか」という問い自体が意味をなくしつつあります。

 Claude CodeやCodexの登場で何が変わったか

前回の記事では、ChatGPTやCopilotを使い、ある程度の専門知識があればエンジニアの経験値が少なくてもコーディングができるという話を書きました。
プロンプトのテンプレートを作ってエラーを繰り返しながら動くコードに仕上げていく。そのトライアンドエラーの経験を今のうちに積んでおくべきだ、と。

それが今、どうなっているか。

2025年以降、Claude CodeやOpenAI Codexをはじめとするコーディングエージェントの進化は、前回の記事で想定していたスピードをはるかに超えてきました。
何が変わったかというと、「コードを生成してくれる」から「開発プロセスそのものを担う」に変わったということです。

それまでAIコーディングは、AIに精通した人は自ら自律型の仕組みを作っていたりはしていましたが、多くは人間がやりたいことを指示して、AIがコードを出力して、人間がそれを確認・修正してという往復作業でした。
これだけでも開発効率は大幅に上がりました。ただ、これはあくまでもエンジニアの開発効率を上げるというものだったので、エンジニアとしての知識と経験があることが前提となっていました。

今のAIエージェントによるコーディングは違います。
コードを書くだけでなく、テストを書き、バグを見つけ、セキュリティリスクを指摘し、既存のコードベースを理解した上で改修案を提示する。
しかも一度の指示でそのサイクルを自律的に回します。

これはもう「AIを使ったコーディング」ではなく、「AIによるシステム開発」です。

ノーコード・ローコードという概念の終焉

kintoneのようなノーコードプラットフォームが登場したとき、「コーディングの知識がない人でもシステムを作れる」という価値が生まれました。
ローコードはその中間として、少しの技術知識があればより複雑なことができる選択肢でした。

この二項対立は、「コーディングができるかどうか」が人間のスキルとして問われていたからこそ成立していた概念です。

それが、AIがコーディングを担うようになると、ノーコードかローコードかという区別は意味を失います。
なぜなら、コードを書くという行為そのものが人間の仕事でなくなるからです。
誰でもAIに指示を出せば、コードを書かずに複雑なシステムを作れる。これはノーコードの進化ではなく、コーディングという概念が丸ごと吸収されたという話です。

kintoneのカスタマイズについて言えば、これまでの選択肢は

  • プラグインをいれる
  • 連携サービスを使う
  • 社内のエンジニアもしくは外注してJavaScriptでカスタマイズをする

の三択でした。
この最後のJavaScriptでカスタマイズするという選択肢は運用負荷やコスト面でノーコードプラットフォームとしてのkintoneのメリットを活かせないため比較的避けられてきましたが、「AIにカスタマイズをさせる」ことで一つの選択肢としての価値が加わりました。

AIにカスタマイズをさせることで業務担当者が自分の言葉で「こういう動きにしたい」と伝えれば、AIが設計してコードを書き、テストして反映するというのがビジネスの業務でも十分使用できるレベルになりました。

 AIによってシステム開発の属人性がなくなりました

これは実は非常に重要な変化です。
これまでシステム開発の現場、特に人材確保に悩む中小企業にとって常に課題になっていたのが「属人性」でした。

「あのコードはあのエンジニアにしか読めない。」
「あのシステムの改修はあの人がいないとできない。」

そういう状況が多くの企業で起きていました。
AIエージェントによるコーディングが普及することで、この問題は構造的に解消されます。
AIはコードを書くと同時にドキュメントを生成し、既存のコードを読んで理解し、引き継ぎの文脈なしに改修を行えます。
誰かが書いたコードを別の誰かが引き継ぐという概念が変わります。人ではなくAIが常にコードを把握している状態になるからです。
※仮に人間が読みたければAIに人間に読みやすいドキュメントを書いてもらえばいいわけです。

新規開発だけでなく、運用・保守・改善のフェーズにおいても、AIは機能します。むしろ既存コードの解析と改善という作業は、AIが得意とするところです。
「このシステム、誰も触れなくなってしまって困っている」というレガシーコードの問題も、AIが解決の糸口になりつつあります。

AIが書いたコードを読めない人がいたらセキュリティ的にも不安だという声もあります。こう考えるのはビジネスで使う上においては当然の意見だと思います。
ただ、これは「クラウドにデータを置くことってセキュリティ的に大丈夫なの?信頼できるの?」という話を同じだと思っています。
セキュリティも十分担保された安全な開発ができる仕組みというのがこれからも機能リリースされますし、運用ノウハウも溜まっていくので解消されるのは時間の問題です。それもかなり速い時間で解決されると思います。

 経営者として今やっておくべきこと

AIによってコーディングが不要になる世界は、もう来ています。
ただ、この世界が当たり前にすぐなるのではなく、少しずつ拡がっていきます。その過程に早く入った組織と、様子を見てから入った組織では、1年後・2年後に大きな差がつきます。

「まだ完璧じゃないから」「まだ怖いから」と様子を見ている間に、実践している組織との差は開いていきます。
AIに開発をさせていく経験を少しずつ積んでいくこと、それ自体が今の経営における重要な意思決定なのではないかと思っています。

今のうちに生成AIをトライアンドエラーで使っていくかどうかで半年、1年先の未来は変わる。

前回のブログでも書いた言葉ですが、1年半経った今もこの言葉は正しいと思っています。ただ、生成AIの変化のスピードは想定しているよりも本当に何十倍も速いです。
だからこそ、「まだ間に合うが、迷っている時間はもうない」くらいの気持ちで取り組んでいくことが大事です。

ノーコードとコーディングの区別がなくなった先にはコードを書く能力ではなく、何を作るべきかを考える能力と、AIをマネジメントしていく能力が問われます。

その準備を、一緒に始めていきましょう。

この記事を書いた人
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四宮靖隆

株式会社ジョイゾー代表取締役社長

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